治療食とは|病院食の分類から特別食加算・給食委託の選び方まで完全ガイド

「治療食って、普通の病院食と何が違うの?」「種類が多くて、どれがどの疾患向けなのか整理しきれない」
病院給食に関わる方であれば、一度はこうした疑問を持ったことがあるのではないでしょうか。
治療食は、医師の指示に基づいて提供される食事療法の一部です。種類が多いうえに、診療報酬の「特別食加算」にも関わるため、正しく理解しておくことが大切です。
本記事では、全国300以上の施設で給食を提供する名阪食品が、治療食の基本から給食委託の選び方までを、現場の運営視点を交えて解説します。定義や一般食との違い、種類の一覧、特別食加算の仕組み、委託先のチェックポイントまで順に整理していきます。
本記事を読むと、次の3点が明確になるはずです。
- 治療食の定義と、一般食との具体的な違い
- 治療食の種類と、それぞれの対象疾患
- 特別食加算の仕組みと、委託運営との関係
なお、病院給食の委託や治療食対応にお悩みの方向けに、名阪食品では無料でのご相談を承っています。ぜひお気軽にご相談ください。
なお、名阪食品では、業態に合わせた給食委託のお見積りを無料で行っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事の筆者・監修者 名阪食品お役立ち情報発信チーム 名阪食品の「お役立ち情報」の編集者。「すべては、お客様の健康で楽しく豊かな食生活のために」を理念に1日約7万食の給食を提供している。給食運営施設は学校・保育・高齢者施設・社員食堂と幅広く、お客様のお悩みや喜んでいただいた事例を発信している。
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- 1. 治療食とは?病院食における位置づけをわかりやすく解説
- 2. 一般食と治療食(特別治療食)の違い
- 3. 治療食の種類一覧|特別治療食を疾患別に解説
- エネルギーコントロール食|糖尿病・肥満・脂質異常症など
- 塩分(ナトリウム)コントロール食|高血圧・心疾患など
- たんぱく質コントロール食|腎疾患・透析・肝疾患など
- 脂質コントロール食|膵炎・胆石症・肝疾患など
- その他の特別治療食|術後食・潰瘍食・貧血食など
- 4. 治療食と療養食・介護食の違い
- 5. 治療食と診療報酬|入院時食事療養と特別食加算の仕組み
- 6. 治療食対応は給食委託できる?委託範囲と委託先チェックポイント
- 7. 名阪食品の病院給食・治療食への対応
- 8. 治療食に関するよくある質問(FAQ)
- 9. まとめ|治療食の理解と委託先選びのポイント
1. 治療食とは?病院食における位置づけをわかりやすく解説
治療食とは、患者さんの病状に合わせて栄養量や内容を調整した食事で、医師が発行する食事箋(しょくじせん)に基づいて提供されます。
厚生労働省も、特別食加算の対象となる特別食を「疾病治療の直接手段として、医師の発行する食事箋に基づいて提供される患者の年齢、病状等に対応した栄養量及び内容を有する治療食」と位置づけています(厚生労働省 令和8年度診療報酬改定)。
ただし、治療食は薬のように症状を直接治すものではありません。医師の治療方針に沿って、栄養面から治療を支える食事療法という位置づけです。
続いて、病院食全体のなかで治療食がどこに位置づけられるのかを見ていきましょう。
病院食は「一般食」と「治療食」に大別される
病院で提供される食事は、特別な制限のない「一般食」と、疾患や治療に合わせて栄養量を設定した「治療食」の2種類に大きく分かれます。
治療食はさらに細かく分類され、施設によっては20種類以上を運用する例もあるほどです。どの食事を提供するかは、管理栄養士が患者さんの既往歴や検査値をもとに検討します。
この2つの区分を押さえておくと、病院給食の全体像をつかみやすくなるでしょう。
2. 一般食と治療食(特別治療食)の違い
一般食と治療食は、対象となる患者さんも、食事の目的も異なります。主な違いは次のとおりです。
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項目 |
一般食 |
治療食(特別治療食) |
|
対象患者 |
栄養制限が不要な方 |
疾患により栄養調整が必要な方 |
|
目的 |
栄養状態の維持・回復力の向上 |
疾患治療の効果を高める |
|
栄養調整 |
食形態の調整が中心 |
疾患別の栄養制限あり |
一般食とは|常食・軟食・流動食など
一般食は、特別な栄養制限を必要としない患者さん向けの食事です。食べやすさに応じて、常食・軟食(全がゆ・五分がゆなど)・流動食に分かれます。
ただし、入院中は活動量が減り、消費エネルギーも少なくなるため、一般食でも患者さんの状態や年齢に合わせて摂取エネルギーを調整します。
一般治療食と特別治療食の違い
治療食は、栄養成分の制限がない「一般治療食」と、疾患に合わせて栄養成分を制限する「特別治療食」に分けて説明されます。
一般治療食は、食形態を調整した食事で、栄養状態を良好に保ち、回復に必要な力を高めることが目的です。
一方の特別治療食は、疾患に合わせてエネルギー・たんぱく質・塩分などを制限した食事で、制限を設けることで治療効果を高めます。一般に「治療食」という場合は、この特別治療食を指すことが多いでしょう。
3. 治療食の種類一覧|特別治療食を疾患別に解説
治療食(特別治療食)は、調整する栄養素によって主に4つに分かれ、このほかに術後食などの個別の治療食があります。主な種類と対象疾患は次のとおりです。
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種類 |
主な対象疾患 |
調整のポイント |
|
エネルギーコントロール食 |
糖尿病・肥満症・脂質異常症・心疾患 |
エネルギー量を調整 |
|
塩分コントロール食 |
高血圧・心疾患・腎疾患 |
塩分(ナトリウム)を制限 |
|
たんぱく質コントロール食 |
腎疾患・透析・肝疾患 |
たんぱく質量を調整 |
|
脂質コントロール食 |
膵炎・胆石症・肝疾患 |
脂質を制限 |
|
その他の特別治療食 |
術後・潰瘍・貧血 など |
症状に応じて個別調整 |
エネルギーコントロール食|糖尿病・肥満・脂質異常症など
エネルギーコントロール食は、摂取エネルギーを適切に管理する治療食で、糖尿病・肥満症・脂質異常症・心疾患などが対象です。
医師の指示に沿ってエネルギー量を設定し、栄養バランスを保ちます。なかには、糖質の比率を調整するメニューを運用している病院もあります。
塩分(ナトリウム)コントロール食|高血圧・心疾患など
塩分コントロール食は、塩分の摂取量を抑えた治療食です。高血圧・心疾患・腎疾患などで用いられます。
薄味でも満足感が得られるよう、現場ではだしの風味を効かせるなどの工夫が欠かせません。
たんぱく質コントロール食|腎疾患・透析・肝疾患など
たんぱく質コントロール食は、たんぱく質の量を調整する治療食で、腎疾患や透析中の患者さん、肝疾患などが対象です。
腎機能の状態に応じて、塩分やカリウムもあわせて管理する場合があります。
脂質コントロール食|膵炎・胆石症・肝疾患など
脂質コントロール食は、脂質を制限した治療食で、急性・慢性の膵炎、胆石症、胆のう炎、肝疾患などで提供されます。
その他の特別治療食|術後食・潰瘍食・貧血食など
上記以外にも、症状に応じた特別治療食があります。代表的なものは次のとおりです。
- 術後食:手術後の回復段階に合わせた食事
- 潰瘍食:胃・十二指腸潰瘍などに配慮した食事
- 貧血食:鉄分などを強化した食事
- 低残渣食:腸への負担を抑えた食事
- 化学療法食:吐き気や食欲不振に配慮した食事
このように、治療食は患者さん一人ひとりの病状に合わせて細かく設計されています。
4. 治療食と療養食・介護食の違い
「治療食」と混同されやすい言葉に「療養食」「介護食」があります。3つの違いは、主に使われる場面と制度上の文脈にあります。
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用語 |
主な使われ方 |
制度上の文脈 |
|
治療食 |
病院で疾患別に栄養調整した食事 |
医療保険(特別食加算) |
|
療養食 |
介護施設で疾患別に配慮した食事 |
介護保険(療養食加算) |
|
介護食 |
かむ・飲み込む力に配慮した食事 |
食形態が中心 |
治療食と療養食の違い
治療食は主に病院で使われ、医療保険の「特別食加算」に関わる言葉です。一方、療養食は主に介護施設で使われ、介護保険の「療養食加算」に関わります。
同じ「疾患に配慮した食事」でも、病院なら治療食、介護施設なら療養食と呼び分けられると理解すると整理しやすくなります。
介護食・嚥下調整食との関係
介護食は、栄養制限ではなく、かむ力や飲み込む力に配慮した食形態を中心とする点で、治療食や療養食とは軸が異なります。
食形態は、常食から一口大、刻み食、極刻み食、ミキサー食またはペースト食、ソフト食またはゼリー食へと段階的に調整するのが一般的です。※ミキサー食以降は、施設によって呼び方や順番が異なります。
治療食のなかでも、嚥下(えんげ)機能に配慮が必要な場合は、こうした食形態の調整とあわせて提供されます。
なお、嚥下調整食は2026年度改定で特別食加算の対象にも加わりました(後述)。介護食の種類については、介護食の種類をわかりやすく解説した記事もあわせてご覧ください。
5. 治療食と診療報酬|入院時食事療養と特別食加算の仕組み
治療食は、患者さんへの配慮であると同時に、入院時食事療養費や特別食加算として病院の診療報酬にも直結します。本章では、次の3点を解説します。
- 入院時食事療養(Ⅰ)(Ⅱ)の金額と届出
- 特別食加算の対象と算定要件
- 【2026年改定】嚥下調整食も特別食加算の対象に
入院時食事療養(Ⅰ)(Ⅱ)とは
入院患者さんの食事費用は、入院時食事療養費として算定され、金額は届出区分によって異なります。
令和8年6月適用の基準では、入院時食事療養(Ⅰ)は1食730円、入院時食事療養(Ⅱ)は1食596円です(厚生労働省告示第76号)。
このうち入院時食事療養(Ⅰ)は、常勤の管理栄養士・栄養士の配置、毎食の検食、帳簿整備などの基準を満たして届出を行った医療機関が算定できます。
特別食加算とは(対象・算定要件)
特別食加算は、治療食を提供した場合に算定できる加算です。金額は1食あたり76円で、1日3食を限度に算定します。
算定できるのは、入院時食事療養(Ⅰ)の届出を行った医療機関で、医師の発行する食事箋に基づき特別食を提供した場合です。また、特別食の献立表を作成しておく必要もあります(厚生労働省 令和8年度診療報酬改定)。
【2026年改定】嚥下調整食も特別食加算の対象に
令和8年度(2026年度)診療報酬改定では、特別食加算の対象に「嚥下調整食」が新たに追加されました。これまで腎臓病食や糖尿病食などに限定されていた加算対象が広がった形です。
ただし、嚥下調整食で加算を算定するには、次の要件をすべて満たす必要があります。
- 嚥下調整食分類2021に沿った食形態一覧(写真・栄養量つき)の作成
- 医師・管理栄養士・栄養士による毎日1食の検食
- 管理栄養士・言語聴覚士・調理師等による定期的な試食会・カンファレンス
- 所定の研修を修了した管理栄養士を責任者として配置
嚥下調整食は手間もコストもかかるため、正当に評価される制度に近づいたといえます。一方で、加算を得るには現場体制の整備が欠かせません。
このように、治療食の運営品質は患者さんの満足度だけでなく、病院の収益にも直結します。だからこそ、治療食に確実に対応できる体制づくりが重要です。
6. 治療食対応は給食委託できる?委託範囲と委託先チェックポイント
治療食への対応は、調理や配膳などの運営部分であれば給食委託会社に任せられます。ただし、医療判断にあたる業務は院内に残す必要があります。委託の範囲と確認ポイントは次のとおりです。
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論点 |
内容 |
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委託できる業務 |
調理・配膳・食材発注・在庫管理・衛生管理 など |
|
院内で担う業務 |
医師の食事箋・栄養管理などの医療判断 |
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確認ポイント |
対応力・対応範囲・連携実績・加算体制・衛生管理・エリア |
治療食で委託できる業務・院内で担う業務
治療食で委託できるのは、調理・配膳などの運営業務です。食事箋の発行や栄養管理といった医療判断は、院内で行う必要があります。
厚生労働省の通知によると、食事提供業務は保険医療機関が自ら行うことが望ましいというのが基本です。そのうえで、食事療養の質が確保される場合には、保険医療機関の最終的責任のもとで第三者へ委託できるとされています(厚生労働省 令和8年度診療報酬改定)。
具体的には、調理・配膳・食材発注・在庫管理・衛生管理などが委託の対象です。一方で、医師の食事箋の発行や患者さんごとの栄養管理は、医療判断として院内で担う領域になります。
重要なのは「どちらが優れているか」ではなく、「どの機能を院内に残し、どこを外部化するか」という視点です。栄養管理という医療の中核は院内に残しつつ、調理や配膳の運営を委託すれば、栄養科が本来注力すべき業務に集中できます。
治療食対応で確認すべき委託先チェックポイント
治療食に対応できる委託先かどうかは、次の5点で見極めるとよいでしょう。
- 食事箋・急な食変更への対応力:入退院や病状変化による食事変更に柔軟に対応できるか
- 形態食・禁止食への対応範囲:どこまで細かく形態食や禁止食に対応できるか
- 嚥下調整食の加算体制への対応:分類2021に沿った一覧作成や検食など、加算要件を満たす運用に協力できるか
- 管理栄養士の配置と連携実績:医師・看護師と連携した運営の実績があるか
- 衛生管理体制・対応エリア:HACCPに沿った衛生管理を徹底しているか、自院が対応エリアに含まれるか
委託先へ問い合わせる際は、これらをあらかじめ質問リストにしておくと比較しやすくなります。
7. 名阪食品の病院給食・治療食への対応
名阪食品は、治療食を含む多様な食事提供に対応しています。主な強みは次のとおりです。
- 業界経験50年超・全国300以上の施設への提供実績
- 保育園から高齢者施設、病院まで10業態に横断対応
- 衛生管理室とHACCPに基づく衛生管理体制
業界経験50年超・全国300以上の実績
名阪食品は1968年の創業以来、給食委託の現場で経験を重ねてきました。現在は全国300以上のお客さまに、1日あたり約7万食を提供しています。
保育園・高齢者施設・病院・社員食堂など、業態を横断して対応してきた実績があります。業態ごとに求められる食事は異なりますが、その一つひとつに向き合ってきました。
衛生管理体制と柔軟な個別対応
治療食では、衛生管理と個別対応の両立が欠かせません。名阪食品は衛生管理室による検査体制を整え、HACCPに沿って運用しています。
また、地元農家との直接契約による食材調達や、オーダーメイド感覚での柔軟な対応も特徴です。医師の指示に基づく食事療養を、現場の運営面から支えます。
治療食対応を含む病院給食の委託をご検討の際は、まずはお気軽にご相談ください。
8. 治療食に関するよくある質問(FAQ)
最後に、治療食に関するよくある質問を紹介します。
病院Q. 治療食と特別食は同じですか?
ほぼ同じ意味で使われます。診療報酬上は、特別食加算の対象となる治療食を「特別食」と呼び、病院の現場では「特別治療食」と表現することもあります。
Q. 治療食と療養食の違いは何ですか?
使われる場面が異なります。治療食は主に病院(医療保険)、療養食は主に介護施設(介護保険)で使われる言葉です。詳しくは治療食(医療保険)と療養食(介護保険)の違いをご覧ください。
Q. 治療食はおいしくないのですか?
制限があるぶん、味気ないという印象を持たれることがあります。実際には、だしの活用や調理の工夫により、薄味でも満足感が得られるよう配慮されています。
Q. 治療食の献立は委託できますか?
調理や配膳などの運営は委託できます。一方で、医師の食事箋や患者さんごとの栄養管理は院内で担う領域です。詳しくは治療食対応で確認すべき委託先チェックポイントをご覧ください。
9. まとめ|治療食の理解と委託先選びのポイント
本記事のポイントは以下のとおりです。
- 病院食は「一般食」と「治療食」に大別される
- 治療食はエネルギー・塩分・たんぱく質・脂質コントロール食などに分かれる
- 治療食は特別食加算に直結し、2026年改定で嚥下調整食も加算対象に加わった
- 治療食対応は委託でき、対応力・加算体制・衛生管理・連携実績などで委託先を見極める
治療食への対応は、患者さんの満足度と病院の運営、その両方を支える大切なテーマです。名阪食品では、病院をはじめ各業態に合わせた給食委託のお見積りを無料で承っています。


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