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嚥下食とは?種類・作り方・危険な食材まで|施設と家庭で使える完全ガイド

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「飲み込む力が弱くなった家族に、むせさせずに食事をさせたい」 「施設で入居者一人ひとりの嚥下状態に、どう対応すればいいのか」


そんな悩みを抱える方は少なくありません。


嚥下食は、飲み込む力が弱った方が安全に、そしておいしく食事を続けるための大切な食事です。しかし種類や作り方を誤ると、かえって誤嚥のリスクを高めてしまうこともあります。


誤嚥性肺炎は、令和6年の死因順位で第6位。年間で6万人以上が亡くなっています(厚生労働省調べ)。食形態の選び方は、入居者や家族の命に直結する問題です。


本記事では、嚥下食の定義や分類、家庭でできる作り方や危険な食材、さらに施設で毎食・全員分を安定して提供し続けるための工夫まで、一本で理解できるように解説します。


読み終える頃には、以下が明確になっているはずです。


  • 嚥下食の種類と、きざみ食・流動食との違い
  • 誤嚥を防ぐ作り方ととろみのつけ方
  • 施設で嚥下食を安定提供するための現実的な選択肢

名阪食品は、創業50年以上・全国300以上の施設で1日7万食を支える給食委託会社です。高齢者施設の現場で培ったノウハウをもとに、実務目線でお伝えします。


なお、施設での嚥下食対応にお悩みの方は、記事末尾で無料相談・お見積りのご案内もしています。

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この記事の筆者・監修者

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名阪食品お役立ち情報発信チーム

名阪食品の「お役立ち情報」の編集者。「すべては、お客様の健康で楽しく豊かな食生活のために」を理念に1日約7万食の給食を提供している。給食運営施設は学校・保育・高齢者施設・社員食堂と幅広く、お客様のお悩みや喜んでいただいた事例を発信している。 
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目次

 

1. 嚥下食とは?介護食・きざみ食・流動食との違い

嚥下食とは、飲み込む力が弱った方向けに、形態やとろみを調整した食事のことです。まずは基本を、次の3点に沿って押さえていきましょう。

 

項目

内容

嚥下食の定義

なぜ形態を調整するのか、飲み込みの仕組みから理解する

似た言葉との違い

介護食・きざみ食・流動食との関係を整理する

重要性

誤嚥性肺炎の最新データから、嚥下食の役割を確認する


嚥下食の定義|飲み込みの仕組みから理解する

嚥下食とは、飲み込みや咀嚼といった機能が低下した方に向けて、飲み込みやすいように形態・とろみ・まとまりやすさを調整した食事です。日本摂食嚥下リハビリテーション学会では、これを「嚥下調整食」と呼んでいます。

 

なぜ形態を調整する必要があるのでしょうか。それは、食べ物を口に入れてから胃に送るまでの一連の流れのどこかに障害が起きると、食べ物が誤って気管に入ってしまうからです。

 

食べ物を飲み込む過程は、大きく5つの時期に分かれます。

 

  • 先行期:食べ物を目で認識し、食べ方を判断する
  • 準備期:咀嚼して唾液と混ぜ、飲み込みやすい塊(食塊)をつくる
  • 口腔期:舌で食塊を喉の奥へ送る
  • 咽頭期:飲み込みの反射で、食塊を食道へ送る
  • 食道期:食道から胃へ運ぶ

 

この流れのどこかがうまく働かなくなった状態が、嚥下障害です。嚥下食は、低下した機能を食事の形態で補い、安全に食べられるようにする役割を持っています。


介護食・きざみ食・流動食との違い

嚥下食と似た言葉に、介護食・きざみ食・流動食があります。混同されやすいため、ここで整理しておきましょう。

 

  • 介護食:噛む力・飲み込む力が弱った方向けの食事全般を指す広い言葉。嚥下食は介護食の一部にあたる
  • きざみ食:食材を細かく刻んだ食事。飲み込む力よりも「噛む力」や「口の開けづらさ」に配慮したもの
  • 流動食:病気や手術後などで消化機能が弱った方向けの液状の食事

 

つまり嚥下食は、あくまで「飲み込みやすさ」と「誤嚥のしにくさ」に配慮している点で、これらとは目的が異なります。とくにきざみ食は嚥下食と混同されがちですが、後述する通り、細かく刻むことがかえって誤嚥につながる場合もあるため注意が必要です。


なぜ今、嚥下食が重要なのか

嚥下食の重要性は、年々高まっています。その背景にあるのが、誤嚥性肺炎の増加です。

 

厚生労働省の令和6年人口動態統計によると、誤嚥性肺炎による死亡数は63,665人で、死因順位の第6位となっています。全死亡者に占める割合は4.0%にのぼります。

 

誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液が誤って気管に入り、口の中の細菌が肺で炎症を起こすことで発症します。とくに高齢者は飲み込みの反射が弱く、むせずに誤嚥してしまう「不顕性誤嚥」も起こりやすいため、リスクが高いといえます。

 

安全な食形態を選ぶことは、こうした誤嚥性肺炎を防ぐうえで欠かせません。嚥下食は、単に「やわらかい食事」ではなく、命を守るための食事なのです。

 

 

2. 嚥下食の種類と分類|学会分類と嚥下食ピラミッド

嚥下食は、飲み込む力のレベルに応じて段階的に分類されます。代表的な考え方が、次の2つです。

 

分類の考え方

概要

嚥下調整食の分類(コード0〜4)

飲み込みの難易度を5段階のコードで整理したもの

嚥下食ピラミッド

普通食から嚥下食までを段階的に層別化した概念

 

それぞれ詳しく見ていきましょう。


嚥下調整食の分類(コード0〜4)

嚥下食は一般に、飲み込みの難易度に応じてコード0からコード4までの5段階に分類されます。数字が大きいほど、普通食に近づきます。

 

コード

形態の目安

特徴

コード0

ゼリー・とろみ水

咀嚼がほぼ不要で、そのまま飲み込める。嚥下訓練の開始用

コード1

ゼリー・プリン・ムース状

口の中でまとめやすく、なめらか

コード2

ミキサー食・ピューレ食・ペースト食

スプーンですくえ、ほとんど噛まずに飲み込める

コード3

形を残したやわらかい食事

舌と上あごで押しつぶせる。少しずつ咀嚼を取り入れる段階

コード4

やわらかい普通食に近い食事

歯ぐきで押しつぶす、または軽い咀嚼が必要

 

この分類は、施設や病院、家庭のあいだで食形態の認識をそろえるために役立ちます。ただし、正式な基準の名称や適用にあたっては、専門機関の最新資料を必ず確認することが大切です


嚥下食ピラミッドとは

嚥下食ピラミッドは、すべての食事を飲み込みの難易度にもとづいて、普通食から嚥下食までの6段階に分類する概念です。訓練用の嚥下食から普通食までを層状に整理することで、段階の全体像を視覚的にとらえやすくなります。



嚥下食ピラミッドの利点は、双方向に使える点にあります。高齢で咀嚼機能が低下してきた方は、普通食から嚥下食へと段階を下げていきます。一方、脳卒中などで一時的に飲み込みが難しくなった方は、訓練食から始めて少しずつ普通食へと段階を上げていきます。

 

こうした段階の考え方を共有しておくと、施設・病院・家庭のどこにいても、その人の状態に合った食事を選びやすくなります。


食形態の段階と「やわらか食」の位置づけ

食形態は、飲み込みや咀嚼のレベルに応じて段階的に調整されます。一般的な順序は、次の通りです。

  • 常食
  • 一口大
  • 刻み食
  • 極刻み食
  • ミキサー食またはペースト食
  • ソフト食またはゼリー食
 

なお、ミキサー食以降の段階は、施設によって呼び方や順番が異なる場合があります。


ここで注意したいのが「やわらか食」という言葉です。やわらか食は特定の一段階を指すのではなく、飲み込みや咀嚼に配慮したやわらかい食事全般を指す総称として使われます。段階の一つとして並べるのではなく、幅のある呼び方として理解しておくとよいでしょう。

 

3. きざみ食は本当に安全?誤解されやすい食形態の落とし穴

「噛む力が弱くなったら、とりあえず細かく刻めばよい」と考えていませんか。実は、きざみ食には見落とされがちな落とし穴があります。


きざみ食が誤嚥リスクを高めることがある理由

きざみ食は、食材を細かく刻むことで噛みやすくした食事です。噛む力が弱った方には有効で、現在も多くの現場で提供されています。

 

一方で、細かく刻んだ食材は口の中でまとまりにくいという性質があります。ばらばらになった食材が口の中に広がると、飲み込むタイミングで一部が気管に入り、誤嚥やむせの原因になることがあるのです。とくに飲み込みの反射が弱った方では、注意が必要です。

 

きざみ食を安全に食べてもらうには、まとまりやすさを補う工夫が欠かせません。

 

  • とろみやあんかけを加えて、口の中でばらけないようにする
  • 煮汁に軽くとろみをつけ、食塊をまとめやすくする
  • とろみをつけすぎると口の中に残りやすくなるため、程度に注意する

 

つまり、きざみ食は「刻めば安全」なのではなく、「まとまりやすく調整してはじめて安全になる」食事だといえます。


ソフト食・ミキサー食との使い分け

飲み込む力がさらに低下した方には、きざみ食よりもソフト食やミキサー食が適している場合があります。

 

  • ミキサー食:食材をペースト状にし、ほとんど噛まずに飲み込める。まとまりやすいが、見た目が単調になりやすい
  • ソフト食:食材をやわらかく調理し、形を保ったまま舌でつぶせるようにしたもの。見た目や味を保ちやすい

 

ソフト食は、素材や調理法を工夫すればハンバーグや卵料理なども対応でき、食べる楽しみを保ちやすいのが特徴です。その方の飲み込みのレベルに合わせて、これらを適切に使い分けることが大切です。

 

4. 嚥下食の作り方ととろみのつけ方|家庭でできる工夫

嚥下食は、家庭でも工夫次第で用意できます。基本の考え方と、つまずきやすいとろみのつけ方を押さえておきましょう。

 

作り方のポイントは、次の3つです。

 

  • やわらかく調理する
  • 口の中でまとまりやすくする
  • 水分が分離(離水)しないようにする


基本の考え方

嚥下食づくりの基本は、歯ぐきでつぶせるやわらかさにしたうえで、水分にとろみをつけてまとまりやすくすることです。

 

繊維の多い野菜は、繊維を断つように刻んでから加熱するとやわらかくなります。魚は皮と骨をあらかじめ取り除いておきましょう。パサつきやすい食材には水分を含ませ、なめらかにすると飲み込みやすくなります。

 

一方で、必要以上に調整して噛みごたえや味の変化をなくしてしまうと、食欲が落ち、十分な栄養がとれなくなることもあります。安全性を保ちながら、彩りや盛り付けで満足感を演出することも大切です。


とろみのつけ方と注意点

とろみは、誤嚥を防ぐうえで重要な役割を果たします。サラサラした液体は喉へ流れ込むスピードが速く、飲み込みの反射が遅れると気管に入りやすいためです。とろみをつけると流れがゆるやかになり、安全に飲み込みやすくなります。

 

とろみをつける際は、片栗粉よりもとろみ調整食品(とろみ剤)が扱いやすいでしょう。

 

  • とろみ剤は加熱せずにとろみがつき、温度が下がっても安定しやすい
  • 片栗粉は温度が下がったり唾液と混ざったりすると、とろみが弱まる

 

ただし、とろみは強ければよいというものではありません。濃くつけすぎると口の中や喉に残りやすくなり、かえって誤嚥の原因になります。どの程度のとろみが適切かはその方の飲み込む力によって異なるため、医師や管理栄養士、言語聴覚士に相談して調整すると安全です。


避けたい危険な食材と、食べやすくする工夫

嚥下障害がある方には、飲み込みにくく誤嚥や窒息の原因になりやすい食材があります。

 

  • サラサラした液体(お茶・汁物・ジュースなど)
  • 弾力の強いもの(こんにゃく・かまぼこ・たこなど)
  • 喉に詰まりやすいもの(餅・大きな塊)
  • パサつくもの(ゆで卵・焼き魚・いも類など)
  • 口の中に貼りつきやすいもの(のり・わかめなど)

 

これらは避けるか、食べやすくする工夫が必要です。パサつくものはとろみやあんをからめてまとまりやすくし、詰まりやすいものは一口大に調整します。

 

なお、高齢者向けの食事では、辛すぎるもの・酸っぱすぎるもの・固いもの(れんこん・ごぼうなど)に配慮すれば十分な場合も多くあります。細かく分類しすぎず、「介護食」として無理なく続けられる範囲で工夫するとよいでしょう。

 

5. 施設で嚥下食を「毎食・全員分」提供し続ける難しさ

ここまでは主に、家庭や個人での嚥下食づくりを見てきました。しかし施設では、これを「毎食・全員分・毎日」続けなければなりません。ここに、家庭とは異なる難しさがあります。


個別対応・人手不足・コストという三重の壁

施設での嚥下食提供には、大きく3つの壁があります。

 

第一に、個別対応の負担です。入居者ごとに嚥下のレベルが異なり、常食・きざみ食・ミキサー食・ソフト食などを同時に用意する必要があります。形態ごとに調理工程も盛り付けも異なるため、厨房業務は複雑になります。

 

第二に、人手不足です。厚生労働省の介護老人保健施設の給食運営に関する調査では、運営上の課題として最も多く挙げられたのが「人材」で、回答した施設の52.3%にのぼりました。調理を担う人材の確保が、多くの施設で切実な問題になっています。

 

第三に、コストです。食材費や光熱費が高騰するなか、個別対応を手厚くするほど手間と費用がかさみます。嚥下調整食は、ゲル化剤などの材料費や調理の手間が大きいという声もあります。

 

さらに、特別養護老人ホームや介護老人保健施設では、施設側にも栄養士の配置が求められます。現場では、その栄養士が調理業務に時間を取られ、本来注力すべき栄養管理や入居者への対応が後回しになるケースも少なくありません。


委託先を選ぶときの確認ポイント

こうした課題を解決する現実的な選択肢が、給食業務の委託です。委託によって調理業務の負担を減らせれば、施設の栄養士は栄養マネジメントなど本来の業務に専念しやすくなります。

 

給食委託会社を選ぶときは、次のポイントを確認するとよいでしょう。

 

  • 嚥下状態への対応力:常食から一口大・きざみ食・ミキサー食・ソフト食まで、どの段階まで柔軟に対応できるか
  • 形態食の調達力:解凍して盛り付けるだけの既製の形態食を扱えるか。現場の手間を減らせるか
  • 禁止食への対応:アレルギーだけでなく、入居者一人ひとりの嗜好や変更依頼に、どこまで細かく対応できるか
  • 施設運営との相性:同業態での実績、衛生管理体制、対応エリアが自施設に合っているか

 

とくに「どこまで細かく形態食や禁止食に対応できるか」は、入居者の安全と満足度を左右する重要な確認ポイントです。委託を検討する際は、複数社から相見積もりを取り、自施設の状況に合う会社を選ぶことをおすすめします。

 

6. 嚥下食対応の給食委託なら名阪食品|まとめ

最後に、記事の要点を振り返ります。

 

  • 嚥下食は、飲み込む力に応じて形態やとろみを調整した食事で、誤嚥を防ぐ役割を持つ
  • 分類は嚥下食ピラミッドなどで段階的に整理され、「やわらか食」は総称として使われる
  • きざみ食は刻むだけでは安全でなく、まとまりやすさを補う工夫が必要
  • 施設では個別対応・人手不足・コストの三重の壁があり、委託が現実的な解決策になる


名阪食品の嚥下食対応

名阪食品は、創業50年以上にわたり全国300以上の施設で1日7万食を支えてきた給食委託会社です。高齢者施設では、常食のほか一口大・きざみ食・ミキサー食・ソフト食など、入居者様の嚥下状態に合わせて幅広く対応しています。

 

やわらかい食事に配慮したソフト食ブランド「そふまる」も展開し、飲み込む力が弱った方にも食べる楽しみを感じていただける食事づくりに取り組んでいます。担当栄養士が施設ごとに献立を作成し、季節の行事に合わせたメニューのご提案も可能です。

 

「現在の委託先の対応に不満がある」「嚥下食の個別対応が現場の負担になっている」といったお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

 

老人ホーム・特別養護老人ホーム・介護老人保健施設など、各施設の状況に合わせた給食委託のご提案を、無料でお見積りいたします。

 

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