認知症の方が入れる介護施設の種類と選び方|食事対応まで徹底解説

「認知症の親を、どんな施設に預ければいいのだろう」。「ちゃんと食事をとってくれるだろうか」。そんな不安を抱えて、介護施設を探し始める方は少なくありません。
認知症は、決して特別なものではなくなっています。厚生労働省の推計では、2040年には認知症の高齢者が約584万人にのぼり、軽度認知障害(MCI)を含めると、65歳以上の約3.3人に1人が該当するとされています。
介護施設にはいくつもの種類があり、認知症の受け入れ体制も施設ごとに異なります。さらに見落とされがちなのが、食事の課題への対応力です。
本記事では、高齢者施設の食事を給食委託として支えてきた名阪食品が、認知症の方が入れる施設の種類と選び方に加えて、食べない・誤嚥といった食事の困りごとに施設がどう対応するのかまで解説します。高齢者施設の食事・給食委託について、ご不明な点がある方は、名阪食品までご相談ください。 この記事の筆者・監修者 名阪食品お役立ち情報発信チーム 名阪食品の「お役立ち情報」の編集者。「すべては、お客様の健康で楽しく豊かな食生活のために」を理念に1日約7万食の給食を提供している。給食運営施設は学校・保育・高齢者施設・社員食堂と幅広く、お客様のお悩みや喜んでいただいた事例を発信している。
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1. 認知症の方が入れる介護施設の種類【まず全体像を把握】
認知症の方が入居できる施設は複数あり、それぞれ費用や対応できる範囲、認知症ケアの手厚さが異なります。
代表的な施設タイプは以下のとおりです。
|
施設タイプ |
認知症の受け入れ |
費用の目安 |
特徴 |
|---|---|---|---|
|
特別養護老人ホーム |
重度まで可 |
比較的安い |
公的施設。長期入居向け |
|
介護老人保健施設 |
中〜重度 |
中程度 |
在宅復帰・リハビリ目的 |
|
グループホーム |
認知症に特化 |
中程度 |
少人数・認知症専門ケア |
|
介護付き有料老人ホーム |
施設による |
やや高め |
民間。手厚い介護体制 |
|
サービス付き高齢者向け住宅 |
軽度中心 |
施設による |
自由度が高い住まい型 |
※費用はあくまで目安です。地域や施設、介護度によって大きく変わります。
それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。
特別養護老人ホーム(特養)
特別養護老人ホームは、公的な介護保険施設です。原則として要介護3以上が対象で、重度の認知症の方も受け入れています。
費用が比較的抑えられるため人気が高く、入居待ちが発生することも珍しくありません。長期的な入居を前提とした終の住処として選ばれることの多い施設です。
介護老人保健施設(老健)
介護老人保健施設は、在宅復帰を目指すための施設です。リハビリテーションに力を入れており、医療的なケアも受けられます。
老健には、栄養士または管理栄養士の配置が定められています。栄養管理の体制が整っている点は、食事面での安心材料といえるでしょう。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
グループホームは、認知症の方に特化した施設です。少人数のユニットで共同生活を送り、家庭的な雰囲気の中で暮らせます。
食事づくりを入居者と一緒に行う施設もあり、役割意識の醸成や落ち着きにつながる効果も期待できます。
ただし、医療対応や重度化への対応には、施設ごとに差がある点に注意してください。入居後の状態変化にどこまで対応できるかを、事前に確認しておきましょう。
介護付き有料老人ホーム/サービス付き高齢者向け住宅
介護付き有料老人ホームは、民間が運営する施設です。費用はやや高めですが、手厚い介護体制や設備の充実が魅力といえます。
サービス付き高齢者向け住宅は、自由度の高い住まい型のサービスです。比較的自立度の高い方に向いています。また、認知症の受け入れ範囲は施設によって異なります。
2. 認知症対応の介護施設の選び方|見るべき5つのポイント
施設の種類がわかったら、次は具体的な選び方です。認知症の方の施設選びでは、一般的な条件に加えて確認したい視点があります。
本章で解説する5つのポイントは次のとおりです。
|
ポイント |
確認する内容 |
|---|---|
|
認知症ケアの体制・専門性 |
専門スタッフの有無、BPSDへの対応方針など |
|
医療・看護との連携 |
持病・誤嚥性肺炎への対応体制など |
|
費用と入居条件 |
追加料金の有無、対応している要介護度など |
|
食事・栄養の対応力 |
食事の拒否や嚥下への対応方針など |
|
現場の雰囲気 |
スタッフの表情や清潔感など |
事前に確認しておきたいポイントを順番にみていきましょう。
認知症ケアの体制・専門性
まず確認したいのが、認知症ケアの専門性です。認知症ケア専門士などの有資格者が在籍しているかは、一つの目安になります。
BPSD(行動・心理症状)への対応方針も重要です。本人の尊厳を守りながらケアする姿勢があるかを、見学時に確かめましょう。
医療・看護との連携
認知症の方は、持病や誤嚥性肺炎などのリスクを抱えていることが多くあります。そのため、医療機関や看護職との連携体制は欠かせません。
看護師の配置時間や、緊急時の対応フローを確認しておきましょう。医療対応の範囲は施設によって差が大きい部分なので、個別の確認が必要です。
費用と入居条件
費用と入居条件のミスマッチは、後悔につながりやすいポイントです。月額費用だけでなく、入居一時金や追加でかかる費用も確認しましょう。
要介護度による入居条件も施設ごとに異なります。将来の状態変化を見据えて、長く住み続けられるかも判断材料になります。
食事・栄養の対応力(施設選びの隠れた重要ポイント)
見落とされがちですが、食事の対応力も施設選びの重要な軸です。認知症が進むと、食べない・むせる・食事に時間がかかるといった課題が生じやすくなります。
そのため、次のような対応ができるかを確認しておくと安心です。
- 食事を拒否する入居者への声かけ・工夫があるか
- 嚥下機能の低下に合わせた形態食に対応できるか
- 個別の禁止食や嗜好に、どこまで柔軟に応じられるか
見学の際は、実際の食事の様子を見せてもらいましょう。料理の温度や形態、介助の丁寧さから、食事に対する施設の姿勢が見えてきます。
認知症の方にとって、食事は一日の大きな楽しみです。施設側が質の高い食事の時間を作り出せるかどうかで、生活の満足度は左右します。
現場の雰囲気
最後に、必ず見学・体験入居で現場の雰囲気を確認しましょう。資料や口コミだけでは分からない情報が、現地には多くあります。
見学時にチェックしておきたいポイントは次のとおりです。
- スタッフの表情や入居者への接し方
- 施設全体の清潔感やにおい
- 認知症の方が落ち着いて過ごせる環境の有無
なお、施設運営における人手不足の背景を知っておくと、選ぶ視点がより深まります。介護施設の人手不足に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
【関連記事】介護施設の人手不足を解消するには?|対策と事例をご紹介
3. 認知症高齢者の食事の課題と施設での対応
ここからは、認知症高齢者の方に特有の食事の課題と対応方法について詳しくみていきましょう。
食べない・食事を拒否する
認知症の方が食事を拒否する背景には、複数の理由が考えられます。主な理由は以下のとおりです。
- 体調不良:口内炎、便秘、服薬の影響
- 環境要因:騒がしさ、席の位置、食器の見えにくさ
- 認知機能:食べ物と認識できない、食べ方が分からない
- 食事形態の不一致:噛みにくい、飲み込みにくい
対応としては、まず体調面の確認が欠かせません。そのうえで、落ち着いて食べられる環境を整えます。
名阪食品の現場でも、食器のコントラストを工夫したり、なじみのある料理を取り入れたりすることで、食が進むケースを多く見てきました。食事形態が本人に合っていないだけで食べられていない、という可能性も十分あります。
誤嚥・嚥下機能の低下
認知症が進むと、嚥下(飲み込み)の機能が低下しやすくなります。誤嚥は誤嚥性肺炎につながるため、食形態の調整が重要です。
誤嚥性肺炎は、高齢者にとって身近なリスクです。厚生労働省によると、高齢者の肺炎のうち7割以上が誤嚥性肺炎とされ、日本人の死因の上位に位置しています。
介護の現場では、飲み込みやすさに応じて食事の形態を段階的に調整します。一般的な食形態の段階は次のとおりです。
常食→一口大→刻み食→極刻み食→ミキサー食またはペースト食→ソフト食またはゼリー食
※施設によって呼び方や順番が異なる場合があります
注意したいのが「やわらか食」という言葉です。やわらか食は特定の段階における食形態ではなく、飲み込みやすく調整した食事の総称として使われます。
嚥下食の段階を示す指標としては、嚥下食ピラミッドが用いられます。これは食事を飲み込みやすさに応じて段階分けした指標であり、食形態を検討する際の目安になります。
名阪食品では、ソフト食ブランド「そふまる」をはじめ、さまざまな形態食に対応しています。介護食の種類については、以下の記事でも解説しているので参考にしてください。
【関連記事】
低栄養・脱水のリスク
食事量の低下や飲み込みにくさが積み重なると、低栄養や脱水に陥りやすくなります。
低栄養は、体力や免疫の低下、回復力の減退を招く要因です。そのため、施設では継続的な栄養管理が求められます。
BPSD(行動・心理症状)がもたらす食事への影響
食事は、BPSD(行動・心理症状)とも深く関わっています。落ち着かない、不安が強いといった状態は、食事にも悪影響を与える場合があります。
一方で、食事の時間そのものが安心につながるケースも少なくありません。なじみのある献立や、季節を感じる行事食は、心を落ち着かせる効果が期待できます。
食事環境を整えることは、単なる栄養補給を超えた意味を持ちます。食べる楽しみを守ることも、認知症ケアの一部といえるでしょう。
4. 【施設・栄養士視点】認知症入居者の食事対応の負担を減らす方法
認知症の方の食事対応は、施設運営の現場を圧迫する要因のひとつです。ここでは、施設運営者・栄養士の負担軽減に向けた対応策を解説します。
認知症入居者の食事対応が現場を圧迫する理由
認知症入居者の食事対応は、個別性が非常に高い業務です。拒否された場合の声かけや、形態調整、誤嚥への配慮を一人ひとりに合わせて行います。
特に特別養護老人ホームや介護老人保健施設では、施設が自ら栄養管理を行う体制が求められます。また、栄養マネジメント強化加算を算定する場合は、入所者数などに応じた基準を満たす管理栄養士の配置が必要です。
なお、調理を委託している場合、委託先の管理栄養士は人員配置にカウントされない点に注意してください。つまり、施設は自前の管理栄養士を確保したうえで、栄養マネジメントに取り組む必要があります。
しかし、現場では施設の栄養士が調理業務に追われているケースが少なくありません。本来注力すべき栄養マネジメントや加算業務に、時間を割けないという課題が生まれています。
給食委託という選択肢|栄養士業務・介護業務に専念できる
食事対応の負担を軽減する選択肢が、給食委託です。調理や食事提供を委託することで、施設側の人材が本来の業務に専念できます。
具体的には、次のような効果が期待できます。
- 施設の栄養士が、栄養マネジメントや加算業務に注力できる
- 介護職が調理補助から解放され、介護業務に専念できる
- 認知症対応に必要な形態食を、専門の体制で安定して提供できる
名阪食品は、全国300以上のお客様に対し、1日あたり約7万食を提供しています(名阪食品調べ)。給食委託50年超の経験から、高齢者施設ごとの事情に合わせた食事提供を行っているため、給食委託を検討中の方はお気軽にご相談ください。
認知症対応で見る給食委託会社のチェックポイント
給食委託会社を選ぶ際は、一般的な委託条件に加えて、次のようなポイントが判断材料になります。
- 嚥下食やソフト食など、形態食に対応できるか
- 形態食や禁止食に、どこまで細かく対応できるか
- 入居者の嗜好や、変更依頼にどれだけ柔軟に応じられるか
- 既製の形態食(解凍して盛り付ける商品など)を調達できるか
- 衛生管理の体制が整っているか
特に、禁止食をはじめとした個別対応の柔軟性は施設によって差が出やすい部分です。
名阪食品では、ソフト食ブランド「そふまる」を展開しており、多様な食形態に対応しています。認知症の方の食事対応でお悩みの施設は、名阪食品公式サイトから対応範囲をご確認ください。
5. まとめ|認知症の介護施設は「食事の対応力」まで見て選ぶ
本記事のポイントは以下のとおりです。
- 認知症の方が入れる施設には、特養・老健・グループホームなど複数の種類がある
- 施設を選ぶ際は、認知症ケア・医療連携・費用に加えて「食事の対応力」を確認する
- 認知症には、食べない・誤嚥・低栄養といった食事の課題がある
- 食事対応の負担は、給食委託で軽減できる
施設選びの際は、必ず食事の様子を確認してください。食事の質は、入居後の毎日の満足度に直結します。
施設運営者の方は、食事対応の負担を一人で抱え込む必要はありません。給食委託を活用すれば、栄養士業務や介護業務に専念できる体制を整えられます。
名阪食品が無料でお見積りいたしますので、お気軽にお問い合わせください。






