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熟練栄養士監修!「喉に詰まらせない」食べ方と工夫、対処法をご紹介

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「喉に詰まらせない」食べ方と工夫、対処法をご紹介

食品による窒息事故が多発している近年。餅やミニカップゼリー、パン、飴など、原因となる食品はさまざまです。今回は食事を喉に詰まらせない工夫と、万が一詰まらせてしまったときの対処法を紹介していきます。子どもや高齢者など、窒息の危険性がある方に対してどのような策を講じるべきか、普段から考えることも多い施設経営者の方や現場の方へ改めて参考になれば幸いです。

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監修 三好亜耶

2007 年 栄養士免許を取得
2007 年 フードスペシャリスト免許を取得
2007 年 福岡市内の保育園に入社
福岡市内の保育園で園児の給食作り、食育に従事。その後結婚し、1 児の母に。現在は、 WEB ライターとしてさまざまな分野の執筆を行っている。 

 


1. 喉に詰まらす(誤嚥)のデータ

厚生労働省による人口動態調査によると、食品による窒息事故は、65歳以上の高齢者に多いことが分かります。死亡者数は年間約3,500人以上となっており、そのうち2,500人以上は80歳以上の高齢者です(※1)。

高齢者の「餅」を含む窒息事故は、消費者庁の2018年から2019年の2年間の調べによると、2018年では65歳以上が363人、2019年では298人と、合計661人でした。餅による窒息事故の43%が1月に発生しており、その多くは正月の三が日です。また、男性の発生件数が女性の2.6倍という結果でした(※1)。

一方で、14歳以下の子どもが食品の誤飲により死亡した窒息事故は、2014年から2019年の6年間で80人以上(※2)。そのうち、5歳以下が73人でした。毎年、保育園や小学校の給食で提供されるミニトマトやパン、ブドウなどが原因で発生する窒息事故が報道されています。2024年2月には、小学校1年生の男子児童が、給食のうずらの卵を喉に詰まらせて窒息死するという痛ましい事件も発生しました。過去にも同様のケースがあり、誤飲による窒息事故は後を絶ちません。


2. 喉に詰まらせない工夫

食べ物の特性によって、窒息の危険性は高くなります。「直径1cmから5cm程度」「噛み切りにくい」「口腔内を滑りやすい」「一口サイズで、吸い込んで食べるような構造」など、このような特性を持った食べ物には十分注意が必要です。万が一に備えて、予防法や応急手当についての知識を再確認し、身に付けておきましょう。

ここからは、年代別に喉に詰まらせない工夫をご紹介していきます。

高齢者

高齢者は唾液の分泌が少なくなるため、食べ物をスムーズに喉の奥へ運べなくなります。また、噛む力も弱くなり、嚥下反射もうまくできなくなります。この3つの理由から、食べ物による窒息事故が起きやすい傾向にあるのです。

【窒息しないための方法】

・あらかじめ細かく切っておく

・食べる前に水分をしっかり摂る

・納豆や大根おろしと一緒に食べさせる 

・食事に集中してもらう

・ゆっくりと一口ずつ噛んでもらう

・誰かが傍で見守る


このように、日常のちょっとした心がけが窒息事故を防ぐことにつながります。高齢者の嚥下力や噛む力を回復させるのは難しいため、窒息につながる危険性自体を取り除いてあげることが大切です。

幼児

子どもの口の大きさは3歳児で直径約4cm。これより小さい物は、子どもの口に入ってしまい、窒息の原因となる危険性があります。直径4cm未満の物は子どものまわりに置かないようにし、おもちゃなど子どもが飲み込む危険性のあるものは、市販の誤飲チェッカーやトイレットペーパーの芯などを利用して大きさを確認すると安心です。

子どもの手の届く範囲は、手と腕の長さ+台の高さを足した長さです。1歳児は、約90cm、2歳児は約110cm、3歳児は約120cm。これを目安とし、危険な物は子どもの手の届かない場所に置いて触れさせないようにしましょう。また、食事においても注意が必要です。

【幼児が注意すべき食べ物】

・丸くてつるっとした物
 ミニトマトやブドウ、ピーナッツ、ウズラの卵、
 球状の個包装チーズなど

・粘着性が高く飲み込みづらい物
 餅、ごはん、パン類など

・固くて噛み切りにくい物
 リンゴ、生のニンジン、イカ、水菜など


このような食品を食べさせるときには、小さくカットするなどして十分に注意しましょう。

就学児

乳幼児であれば、保護者が窒息の原因となり得る危険を取り除けますが、小学生になると、食べているところを保護者や教員がつねに見守ることは難しいでしょう。早食いをしていないか、口いっぱいに頬張っていないかなどを指導して、子ども自身にも窒息のメカニズムや危険な食べ方などを知ってもらう必要があります。

また、周囲の大人が食事中の子どもの様子を観察することも重要です。指で喉をつかむようなしぐさや皮膚や粘膜が青黒くなる「チアノーゼ」の症状など、窒息のサインを出していないかなどに注意しましょう。

なかには、平仮名の「は・ひ・ふ・へ・ほ」で食べ方のポイントや窒息のメカニズムを表した動画で正しい食べ方を伝える方法もあります。


3. 喉に詰まらせたときの対処法

食べている最中に様子がおかしいと感じた場合は、傷病者へ喉に詰まったのか尋ね、声を出せずに頷くようであれば窒息と判断して直ちに行動しましょう。

まずは119番通報をし、以下の方法(※3)で救助を試みます。

【背部叩打法】

  1.跪き、傷病者を自分の方向に横向きに寝かせる

  2.肩甲骨の間を手の付け根で力強く何度も叩く


1歳未満の乳幼児の場合、片手で乳児のあごをしっかり持ち、片腕にうつ伏せに乗せます。

少し大きい子の場合は、立膝にして太ももの上に子どもうつ伏せに乗せ、みぞおちを圧迫するようにして、背中を連続して叩きます。このときどちらも頭部を下げるようにしてください。

【ハイムリック法(腹部突き上げ法)】

  1.腕を後ろから抱えるように回す

  2.片手で握り拳を作って、親指側を傷病者のへそより上、みぞおちの十分下に当てる

  3.その手をもう片方の手で握り、素早く手前上方へ向かって圧迫するように突き上げる


大人や年長児の場合は、後ろから両腕を回し、みぞおちの下で片手を握り拳にし、腹部を上方に向かって圧迫します。

この方法が難しい場合は、横向きまたは座って前屈みにした姿勢で背部叩打法を試みてください。

【胸部突き上げ法】

  1.片方の腕に乳児を仰向けにし、手のひらで後頭部をしっかりと持って頭を下げる

  2.もう一方の手の指で胸骨の下半分を数回連続して力強く圧迫する


※1歳未満の乳幼児の場合は、ハイムリック法は行わず、背部叩打法と胸部突き上げ法を行ってください。

乳幼児以外は背部叩打法とハイムリック法(腹部突き上げ法)を交互に行い、口のなかに異物が見えたら取り除きます。反応がなくなった場合は直ちに心肺蘇生法を試みてください。


4. 正しい知識を身に付けて窒息事故を防ごう

年齢を問わず、喉に食べ物を詰まらせたときには窒息のリスクがあります。欧米や韓国には窒息事故が原因で販売禁止となった食品もありますが、日本にはそのような措置が取られた事例はありません。そのため、食べる側の私たちで注意する必要があります。

万が一事故が起こった場合に備えて、背部叩打法やハイムリック法などの応急処置方法を覚えておくことが大切です。正しい予防法や対処法を再確認して身に付け、利用者の安全を守りたいですね。

【出典】
※1消費者庁「年末年始、餅による窒息事故に御注意ください!」2020/12/23

※2消費者庁「食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意!」2021/1/20

※3消費者庁「食品による子供の窒息事故に御注意ください!」2017/3/15



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