★コロナ禍であっても、食事は家族と一緒に!★
食事を共にする頻度が高い人は、
食生活が良好な傾向があります。
本年は新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、
5月4日に公表された「新しい生活様式」において、
食事については「料理に集中、おしゃべりは控えめ」とされていますので、
食卓において自らが周囲に感染を拡大させることがないよう、
一人一人が心がけて食事をすることが大切です。
最近は、家族みんなが集まって食事をする機会が
減ってきているといわれています。
また、若者からお年寄りまで、一人暮らしの人も多くなっています。
一人だと食事の支度が面倒で料理をしなくなったり、
食欲が出なかったりする人も少なくありません。
やはり、だれかと一緒に食事をつくったり食べたりすると、
おいしさも楽しさもアップするものです。
近年、食事を共にすることと健康や良好な食生活に関する
国内の研究結果を分析した報告(※1) があります。
その報告によると、誰かと食事を共にする頻度が高い人は、
(1)心の健康状態について、「気が散る・根気がないなどの精神的な自覚症状が少ない」、
(2)食生活について、「ファストフードの利用が少ない」、
「野菜や果物など健康的な食品の摂取頻度が高い」
といった傾向がみられました。
海外の研究結果でも、同様の報告(※2)があり、
家族と食事を共にする頻度が高いと、
野菜や果物の摂取量が多いなど食物摂取状況が良好であることが示唆されています。
農林水産省の「食育に関する意識調査」においても、孤食がほとんどなく、
ほぼ毎日誰かと食事を共にしている人は、孤食が週2日以上の人と比べ、
ほぼ毎日主食・主菜・副菜を3つそろえて食べると回答した割合が多く、
食事のバランスが良い傾向がみられました。
さらに、朝食摂取頻度や生活習慣病の予防や改善のために気をつけた食生活の実践状況も、
食事を共にする頻度が高い人のほうが、良好な傾向がみられました。
孤食の状況別
主食・主菜・副菜を3つそろえて食べる頻度
(資料:農林水産省「食育に関する意識調査」(平成29年11月実施)
毎月19日は、自分や家族の食生活を見直す、「食育の日」とされています。
「食育の日」を機会に、皆さんも食卓について見直しませんか?
※1:會退友美、衛藤久美.共食行動と健康・栄養状態ならびに食物・栄養素摂取との関連 ―国内文献データベースとハンドサーチを用いた文献レビュー―.日本健康教育学会誌.2015;23(4):279-289.当該文献の中で、統計的に有意な正の関連がみられた研究のみ
(心の健康状態:6件/7件、良好な食生活:7件/11件)を抜粋し、図は農林水産省が作成
※2:衛藤久美、會退友美.家族との共食行動と健康・栄養状態ならびに食物・栄養素摂取との関連-海外文献データベースを用いた文献レビュー-.
日本健康教育学会誌.2015;23(2):71-86
参照:内閣府大臣官房政府広報室政府広報ライン