食育ピクトグラムを活用して食事への意識を高めよう!
食育ピクトグラムをご存じですか? 食育とピクトグラムを組み合わせたもので、農林水産省が主体となって取り組みを始めています(※1)。今回は、食育の推進のために作られた食育ピクトグラムをはじめ、その沿革などについて紹介します。
1.食育ピクトグラムとは
そもそも「食育ピクトグラム」とはどういうものなのでしょうか? 食育ピクトグラムとは、食育の取り組みを誰にでもわかりやすく伝えるために作られた絵文字のことです。冒頭でも紹介したように、食育ピクトグラムは、食育とピクトグラムを組み合わせた言葉です。それでは、「食育」と「ピクトグラム」の詳細について、それぞれ見ていきましょう。
食育とは、体験学習などを通じて、子どもたちが食に関する知識と健康的な食習慣を身に付けられるように教育することを指します。近年、孤食や偏食、欠食などが問題視され、食生活の乱れや肥満・痩身の傾向、体力低下などの問題が起きていることをご存じでしょうか。また、食生活の乱れから集中力が落ち、学力低下につながる恐れもあるといわれています。食育が注目されている理由には、こうした経緯があるのです。食育への取り組みは、農林水産省のみならず厚生労働省や文部科学省、内閣府など各関係府省でも行われています。
続いて、「ピクトグラムは何か」について見ていきましょう。ピクトグラムとは、1964年に開催された東京オリンピックで本格的に導入された日本発祥の絵文字で、言葉がわからなくても、小さな子どもから大人まで、誰もが認識できるようにと制作されたものです。東京2020オリンピックの開会式でも話題になりました。
2015年、国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の17のゴールにも、視覚的に訴える目的でピクトグラムが採用されています。
「食育マーク」農林水産省著作
2.食育ピクトグラムの12個のテーマ
食育ピクトグラムは全部で12個あり、それぞれに意味があります。ここでは、12個の食育ピクトグラムの意味について見ていきましょう(※2)。(1)共食
家族や仲間と会話を楽しみながら食事をすることで、心も体も元気にしようという意味が込められています。
(2)朝食欠食の改善
栄養バランスを考えた食事を摂れるように、主食・主菜・副菜を組み合わせた食生活を送ることや、塩分に気を付け、野菜や果物を摂取することを促進しています。
(3)栄養バランスの良い食事
栄養バランスを考えた食事を摂れるように、主食・主菜・副菜を組み合わせた食生活を送ることや、塩分に気を付け、野菜や果物を摂取することを促進しています。
(4)生活習慣病の予防
太り過ぎや痩せ過ぎを防ぐために、減塩や適正体重の維持に努め、生活習慣病を予防することを呼びかけています。
(5)歯や口腔の健康
歯や口のなかの健康を保つことで、私達は食事を摂ることができます。そのためには口腔機能の発達や維持が必要となるため、ここではよく噛んで食事することを推奨しています。
(6)食の安全
食品の安全性にまつわる基礎的な知識を持ち、自分で判断して行動できる力を養うことを呼びかけています。
(7)災害への備え
日本は地震大国です。いつどこで地震が起きるかはわかりません。また地震に限らず、近年、大雨などの災害が頻発しています。ここでは災害が起きたときのために食料品を備蓄しておくことを推奨しています。
(8)環境への配慮(調和)
食育はSDGsとも関係が深い取り組みです。持続可能な社会を作るためにも、食品ロスの削減を意識すること。また、環境に配慮した農林水産物や食品を購入して環境への配慮につなげることを、ここでは呼びかけています。
(9)地産地消等の推進
地域でとれた農林水産物や、被災した地域の食品を消費することが、農林水産業や地域経済の活性化につながることをご存じでしょうか。ここでは、食品の産地を応援するための地産地消や、環境負荷の低減を推奨しています。
(10)農林漁業体験
農林や漁業に興味を持ち、理解を深めてもらう目的で、農林漁業体験を推進。実際に苗を植えたり収穫したりすることで、食への興味にもつながることが期待されています。
(11)日本の食文化の継承
郷土料理や伝統料理に目を向け、和食文化を後世に伝えることを推進しています。
(12)食育の推進
私達の人生において、切っても切り離せないものが「食」です。体も心も健康に過ごすために、食育への取り組み推進をここでは呼びかけています。
3.食育ピクトグラムの沿革
最後に、食育ピクトグラムの沿革について見ていきましょう。食育ピクトグラムは2021年10月に作られました。食生活指針も参考にしたうえで、これまでご説明してきたように、食育の取り組みをわかりやすく表現しています。
食育ピクトグラムに記されている12の項目は、第1次食育推進基本計画から第3次食育推進基本計画の間も目標に掲げられています。つまりこの12項目は、それだけ重要視された選りすぐりの項目と言えるのです。
そうした背景から、2021年度から2025年度までの第4次食育推進基本計画でも、重点事項になっており、今後も普遍的に取り組むべき項目として維持されるはずです。
さらに食育について理解を深めるために、食育ピクトグラムを作り広く公開していくことも推進されています。農林水産省のホームページ「食育の推進」では、食育推進施策の情報や具体的な取り組みについての資料を多数公表。食育ピクトグラムや食育マークの画像をダウンロードすることも可能です(農林水産省ダウンロードページはこちら)。
ダウンロードしたピクトグラムやマークは、スーパーなどの店頭・学校・幼稚園などで使えるため、食育の促進を目的に、ぜひ活用しましょう。食育ピクトグラムが広まることで、より多くの人が食への関心を深め、望ましい行動につながる可能性があります。
4.ピクトグラムで食育を促進しよう
健康で文化的な生活を送るためには、食育は欠かせません。食育で学んだことは短期間では習慣化しにくいため、幼い頃から少しずつ身につけていくとスムーズに取り入れられるでしょう。しかし、「大人になってからではもう遅いのか」というわけではありません。
人が生きていくうえで基本となる食への基礎知識は、いつでも学ぶことができ、いつでも取り組めるのです。一人でも多くの人が、健全な食生活を送るためにも、食育ピクトグラムを活用して広めていきましょう。
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【出典】
※1※2農林水産省「食育ピクトグラムについて」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/plan/4_plan/togo/html/part14.html